代表挨拶

地域に根ざす工務店

代表の挨拶

小さいころからモノを作る事が好きでした。

その気持ちは変わる事なく高校生になり「大工職人になりたい」と強く思うようになりました。
当時、タウンワークを片っ端から見て工務店さんが大工見習を募集していないか探し回りましたが、就職氷河期の時代だったためどこも募集をしておらず、一刻も早く職人になりたい気持ちを抑え、一旦建築の基礎が学べる専門学校に進みました。

専門学校の卒業時に少ない求人の中から大工兼現場管理のハウスメーカーの工事を専門とした工務店に就職しましたが、番号が印字された加工済みの部材を図面を見ながら組んでいくだけの、技術が必要とされていない業務に魅力を感じる事ができず、やはり「大工職人」になりたいと切望し、一年後に大工の棟梁に弟子入りする事ができました。職人としての技術がない僕は毎日必死で棟梁の技術を盗み学び、気が付けば13 年の歳月が経っていました。毎日仕事が面白くてたまらなかったです。小さいころから好きだった事を仕事にできた僕は幸せ者だと思います。そして何よりここまで育ててくれた工務店の棟梁とスタッフの方に対する感謝の気持ちは今でも消える事はありません。

大工という仕事はお客様の夢を聞き、それを具現化できる素晴らしい仕事です。僕は、この大好きな大工の仕事をもっと若い世代にも広めたく、独立の道を選び広島県府中市に工務店を設立させました。
自分の工務店が持てる事にワクワクしましたが、同時に怖さもありました。
でも、自分自身がお客様と一番近くで話が聞けて判断できる。失敗も含めて全て自分の責任で仕事がしたい、若い世代にも大工という仕事をもっともっと知ってもらい魅力を伝えたいという強い覚悟をもって、今の「エムズワークス」という会社があります。

もちろん、独立してしばらくは順風満帆とはいかず逆境も沢山ありました。見習職人が入っては辞めてを繰り返す年月。大工職人はある意味、過酷です。勤務時間があいまいだったり、休日返上で現場に向かわなければならなかったり、道具を自分の給料から買わなければならなかったり、理不尽に親方に叱られたりします。こんなに面白い仕事なのに、挑戦したい若い大工がすぐに居なくなってしまうのが現状です。

職人に長くこの仕事を続けてもらうために、エムズワークスでは残業もつくようにしていますし、日曜は完全にお休みをとっています。また、土曜については出勤する・しないを日によって選べるようにもしています。大工道具は自前で買うと大きな出費になるので、道具全てを会社から一式支給し、車も会社経費にしました。
私たちの若い頃の環境はみんな過酷でしたが、これからは若い方でも続けていける職場環境を作っていきたいと考えています。

自分が過酷だった頃の環境が当たり前で、それが常識だと今の大工職人に思って欲しくないのです。
やりがいのある仕事だと思っても、続かない原因をできるだけ取り除くため、会社としても日々努力をしています。

段々と若い職人が定着してくれるようになってから僕はいつしか大工という仕事の魅力を伝えるだけでなく社員の一生を考えるようになりました。少しずつ見習職人が定着し、職人として仕事ができるようになってからは、自分が評価されるより、社員が評価されることの方が今の僕にとっては大きな喜びです。